Last Update: "2008/01/26 11:47:24 makoto"
無改造
玄箱を人から借りて来た、とか、半田付はちょっと遠慮したい、半田ごては持っていない、
あるいは部品をまた買いに行くのはどうも、
という場合には、「何が何でも無改造で NetBSD を動かすぞ」ということがあるかも知れません。
ここでは、それを追求して見ます。disk を外してしまえば、全く元の玄箱に戻る、ということです。
NetBSD の設置・設定時を考えますと、次のような三つの環境があります。
1 | sysinst (メモリ・ディスク) | 設置環境 | 卓(console) から操作 |
2 | single user | 設定・緊急環境 |
3 | multi-user | 通常動作 | 卓・ネットワークから操作 |
上の表の右側に書いてありますが、
設置時には通常、卓を必要とします。
この卓というのは直列通信口だったり、あるいは画面だったりします。
しかし、玄箱や LinkStation の無改造時には、卓がありません。そこで、それをどの口から
操作をするかというのが問題になります。
| 環境 | 改造 | 無改造 |
操作口 | kernel | 操作口 | kernel |
1 | sysinst (メモリ・ディスク) | 通信口 | KUROBOX_MD | dhclient + telnetd |
KUROBOX_MD |
2 | single user | KUROBOX |
dhclient + telnetd + chroot |
3 | multi-user
| | | KUROBOX |
この表は先ほどの表を少し書直したものです。
この表の右側が今回やろうとしていることです。
つまり、telnet で入って sysinst を実行します。
sysinst というのは NetBSD の標準の設置系(installer) です。
どの NetBSD にも共通なことですが、GENRIC_MD のように _MD のついた
Memory Disk カーネル
は、大抵の場合、その sysinst を組込んであります。
ここで kernel の項目に書いてある
KUROBOX_MD と
KUROBOX の
二つの違いは、前者が
file system の一部を
メモリ ram_disk に展開してあることと、
sysinst を起動するようになっていることです。
kuro-box 用には、さらに その _MD カーネルに工夫がしてあります。
無改造で設置をするには、まず
は、Linux 側に
bootselector2
を入れておきます。これにより 上の 1、2 or 3 あるいは元の Linux の切替を行ないます
( bootselector2 の設定例)。
それから、sysinst (MD kernel) には、dhclient と telnetd が追加された
特別な版が必要です。
20061019 のもの
に入っている
netbsd-KUROBOX_MD.gz
は、そうなっています。
実はここから先は、
入手したらと大きくは違いません。
→動作未確認の最近の snapshot(20070114)
全体の流れ
無改造の場合の流れとしては、次のような段階があります。
- 生の玄箱を動くようにする
- nbloader と kernel を二種類置く
( dhclient + telnetd を追加した等で)
名前を変更している場合がありますが、実は改造した場合でも
全く同じものが使えます。
- boot selector 2 を入れて
kuro_boot.conf の設定
- (上の表の 1) sysinst の起動と
実行
- (上の表の 2) mount + chroot して
single user での設定
- kuro_avrd を入れておく
- (上の表の 3) multi-user で設定
このうちの
1,2,3 が Linux 上での作業、4 以降が NetBSD 上での作業になります
(実際には、全て他の機械から telnet して入った上での作業です)。
こう書いてしまうと、
5 が特殊であること、bootselector2 がほぼ必須であることを除いて
改造の場合と殆んど変りません。
改造の場合にも bootselector2 は大変便利なはずですが、上記に示した改造の場合では
使っていなくて NetBSD 固定になっています。
OS 設置後は
上の「全体の流れ」がうまく行った時には、おそらく次の二つが必要です。
二つ目の Application の追加については、
ここで説明している NetBSD/sandpoint あるいは NetBSD/evbppc は PowerPC の一族ですから
powerpc
package
が使えます。ですので、例えば、
pkg_add
を使って、
http://www.ki.nu/software/packages/binary-packages.html
の下の方にある表などから URL を調べて、NetBSD の版の番号と同じものを選び、
例えば NetBSD-4.0 であれば、
のようにすれば、かなりのものが簡単に追加出来ます。
(上の例は、普通なら一行で入力するものを \ を使って二行に分けて入力しています)
(続きは
左側
から選んで下さい、以下同様。次は
/boot を用意するです。
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